RJ7解散後、不定期だが元メンバーと連絡を取り合ったりしていた。
岡野とはその連絡の中で会うことになっただけの事であるが、岡野も岡野で苦労が多いようだ。
岡野は俺がリョーマに対して人とは違う感情を持っていることを知っていた。
本人曰く、勘で分かったそうだが、本当の所は分からない。
どちらにせよ、俺の態度が煮えきらない事にはずっと苛立っていたし、俺が懸命に伸ばした手を払ったリョーマに対して一発ビンタをぶちかましたのを後で知った。
リョーマはやり返さなかったそうだが、岡野からすればどちらにせよボコボコにしてやれば良かった、と未だに愚痴をこぼす。
今更、どうしようもない話だ。と岡野は視線を落として話すけれど、俺としてはそれ以前の問題なのだと自覚する。
拒絶された右手、それが答え。
払われた手しか見つめる事のできなかった、俺の答え。
その答えを飲み込めず、未だに夢に見る俺を、お前はどんな目で見つめるのだろうか。
皿に残ったサラダの最後の一口をフォークで刺す。
サク、と小気味良い音とともに銀色のそれが無慈悲にレタスを貫通する。
ああ、俺もあの時、こんなふうにすべてを貫かれて消えてしまえていたら。
また一つ、下らない考えだけが頭を駆け巡って消えた。