地獄 - 5/9

伸ばされた手を払う

俯くお前にかけた言葉はさよならを意味した。

何も言わないお前を目の前に、頬に走る痛み。

俺が目を見開く前に夢が覚める。

目を閉じる。

フィールドの上を駆け回る俺を見つめる男がいる。

焼け付くようなその視線を無視し、シュートを決める。

歓声に混ざり聞こえた声に、俺は顔を上げる。

『 』

聞こえる声から逃げるように両手で耳を塞ぐ。

また俺は夢から覚める。

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