「あっちの弓倉、すげえ凶悪だった!」
少し顔を青くして報告するリョーマの姿が、ちょっとだけ面白い。
向こうの俺にどんな扱い受けたかは知らないけど、きっとめちゃくちゃ噛みつかれたんだろうな。
「あっちのリョーマはクールでかっこよかったぜ?」
からかいがてら教えてやれば、少しムッとした表情を見せたあと、俺の腕を軽くつかんだ。
しばしの沈黙のあと、お互い笑いがこみ上げる。
「もうああいうのは、ごめんだ」
「そうだよな」
割れた鏡をちらりと見て呟いてみる。
確かにこうやって入れ替わるのはゴメンだが……。
もし、もう一度『あいつら』に出会えたら……。
今度は同じ目線で、笑いあえるかもしれない。